
英語ピッチで手に入れた、海外スポーツ市場からの反応 〜怪我予測デバイスで世界に挑戦!〜
スタートアップが海外進出を目指すとき、多くの方が苦手意識を感じるのが「言語」でしょう。日常会話レベルではなんとなく大丈夫、ビジネス英語もそれなりに使える、といった方でも、「ピッチ」「商談」となると、話は違ってきます。
K-NICでは、英語ピッチのブラッシュアップを目的とした完全伴走型プログラム「英語ピッチのブラッシュアッププログラム」を実施しています。海外ビジネスやスタートアップ支援に精通した専門家によるマンツーマンの指導、複数回にわたるスライドのチェック、実践的なリハーサルなど、短期間で成果を出せるサポート体制が整っており、これまで多くのスタートアップが海外登壇への一歩を踏み出しています。
今回は、プログラムを活用し、Game Plan Japan: Japan-Australia Sports Business Exchange ゲームプラン ジャパン:日豪スポーツビジネス交流をきっかけにグローバル展開への道を拓いたタグル代表・遠藤洋道さんにお話を伺いました。
起業家プロフィール

遠藤 洋道氏
タグル株式会社 代表取締役
2003年早稲田大学社会科学部卒。アクセンチュア株式会社、株式会社リクルートを経て、独立。個人でアプリ作成事業を開始し、およそ半年で月間アクティブユーザー数30万人を達成。大企業の看板なしで、企業とのコラボなどにも成功。新たな挑戦を求め、当時別会社を経営していた菊田修弘氏(現・取締役)と出会い、2016年8月にタグル株式会社を設立。
スポーツの奇跡を、怪我で奪わせない。
タグルは、スポーツ選手の怪我リスクを可視化する技術を開発しています。大阪大学のロボット工学の知見を応用し、筋肉の状態を約10秒で測定できるセンサー機器を開発。このデータにより、怪我の兆候を早期に発見でき、練習や試合への出場可否を客観的に判断できます。
従来、怪我の兆候は選手やトレーナーの主観に頼る部分が大きく、コーチやメディカルチームとの間で意見が分かれることも多くありました。タグルの技術は、客観的なデータによってチーム内の意思決定を円滑にし、選手の健康とチームの競争力を両立させる新たなアプローチを提供しています。
現在、JリーグやBリーグのチームでの実証実験を進めており、地方クラブや大学、医療機関との連携も模索中。国内はもちろん、アメリカやイギリス、アジア諸国など、世界中のスポーツ市場に向けた展開を視野に入れています。

英語ピッチのブラッシュアッププログラムで得られたこと
──英語ピッチプログラムに参加された理由は何だったのでしょうか。
英語ピッチブラッシュアッププログラムに参加したきっかけは、オーストラリアのスポーツテック関連イベントへの登壇が急遽、決まったことでした。
日常会話レベルの英語すらままならない中で、ピッチの場に出るならしっかりした準備が必要だと思ったんです。ピッチは一回限りの勝負であり、ビジネス展開の可否を決める重要なものですから。
──参加された感想を教えてください。
このプログラムでは、ピッチ用の英語はもちろん、スライドの構成、強調すべきポイント、ビジュアルの使い方、ジェスチャーの取り入れ方、話すテンポや間の取り方など、「伝える」ことにフォーカスした内容が盛り込まれていました。
日本語のピッチではあまり意識していなかった「抑揚」や「間」、視覚的に伝える工夫がとても新鮮でした。プレゼンというより“演出”に近い感覚ですね。
また、このプログラムには大きな安心感がありました。メンターのコウさんがとても親身に伴走支援をしてくれました。緊張する気持ちに寄り添ってもらい、プレゼンの直前までフォローしてもらいましたね。ちょっとしたことでも相談できる雰囲気がありがたかったです。内容面はもちろんのこと、気持ちの面でも支えてもらえたことが大きかったです。
海外からの反応と広がる展望
──ブラッシュアップを経てピッチに挑戦されましたが、その反応はいかがでしたか?
オーストラリアから来日していたスポーツテック関係者との交流の中で、タグルのプロダクトに高い関心が寄せられ、現地での商談機会を正式に打診されました。ピッチの翌日にオーストラリアパビリオンでさらにお話した後、先方と何度かメールで連絡をしている中で、オーストラリアへのオファーをいただきました。イベント主催者を通じて「日本のスポーツビジネス代表団として、オーストラリアに来てみないか」というオファーを受けたのです。具体的な次のアクションにつながったのは大きかったですね。
オーストラリアで印象的だったのは、選手を「資産」として捉え、パフォーマンス維持を経営上の重要課題として扱う姿勢です。コンディション管理のための技術に対して、経営層が強い関心を持ち、現場と直結して判断が下される構造に、自分たちの価値がストレートに伝わる手応えを感じました。
この経験を皮切りに、国内からも複数のプロスポーツチームや団体からの問い合わせが急増。Jリーグ・Bリーグのクラブはもちろん、大手スポーツメーカーとのつながりも一気に広がるなど、国内外からお声がけいただくようになりました。
海外のスポーツ業界では、選手の健康状態が企業価値やチーム経営に直結する“資産”として認識されており、マネジメントとメディカルチームの距離が近い傾向があります。ビジネスとしてはある意味シビアですが、そのため、タグルの製品のような客観的データによる怪我予防の技術は、非常に高い関心を集めやすく、海外の方が受け入れられやすい実感もあります。
現在は、アメリカ(NFLなど)やヨーロッパ(プレミアリーグ)市場への展開を見据え、シンガポールやインドネシア、タイなどアジアへの進出にも意欲を見せています。特にタイでは、スポーツ医学の分野で先進的な研究が行われています。タグルは8月23日に仙台市主催アクセラプログラムに採択されたので、タイに行くことが確定しております。
「英語に自信がなくても大丈夫。むしろ、そんな人こそ受けたほうがいい」
──プログラムを受けての変化したことはなんでしょうか?
実感する変化としては、気軽に英語ピッチができるようになったことですね。英語が苦手な人でも、事前準備・構成・練習・心理的サポートまでしっかり伴走してくれるので、安心してチャレンジできます。
ピッチはあくまでもスタート地点。登竜門とも言える英語ピッチ登壇を、難なく乗り越えていくために、大きなサポートになりました。
あなたも、次のステージへ。
今回のインタビューでもわかる通り、海外市場の方が国内よりも反響が大きくポテンシャルがあるテーマがあります。また、どの事業領域においても、国内だけで事業展開しているよりも、予想だにしない反響を得られることで事業の成長につながることも多いでしょう。
「英語ピッチ登壇」というグローバルビジネスへのチケットを、まずは手に入れてみませんか?自社製品の可能性を世界で試したいと願うすべてのスタートアップにとって、その第一歩を踏み出すための心強いサポートがここにあります。
言葉の壁を越え、ビジネスを加速させる一歩を、ぜひK-NICで踏み出してください!
▶️ 英語ピッチブラッシュアッププログラムの詳細はこちら